集団的自衛権に絡む、自衛隊のポジティブリストとは？ネガティブリストと何が違うのか

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集団的自衛権に絡む、自衛隊のポジティブリストとは？ネガティブリストと何が違うのか　[気になるニュース] [編集]

Yahooのトレンドキーワードで、「ポジティブリスト」「ネガティブリスト」というのが出ています。

これは一体何のことなのでしょうか？

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このポジティブリスト、ネガティブリストというのは、
軍隊等の行動規定の基準となるものです。

ポジティブリストというのは、根拠規定とも言われます。
どういうものかというと、軍隊が何か行動を起こす時に
「○○と▽▽と■■はやっていいけど、あとはやってはいけない」、
という縛りをかけるものです。

これに対してネガティブリストは禁止規定と呼ばれ、
「★★と☆☆はやっちゃダメだけど、それ以外は自由にしていい」
というものです。

「どっちでもええやん」と思うかもしれませんが、
これが結構違うんです。

結論から言うと、ポジティブリストで動く方が圧倒的に不利になります。

どういうところがまずいのかお伝えしましょう。

１）行動が遅くなる

自衛隊や軍隊の仕事はたくさんあります。
また、実戦ともなると現場では想定外の
ことがたくさんおこります。

特に判断が微妙なことが起こると
ポジティブリストで縛りをかけていると
今やろうとすることが「やっていいこと」なのか
現場で即座に判断・行動できないのです。

そうなると、
・上級司令部に問い合わせて
・上級司令部で議論して
・結論を返信して

なんていう余計な手間がかかります。
それだけ行動が遅くなるのです。

ちょっと極端な例ですが、東京で災害が起こったとして
命令に「東京の住民を救助せよ」とあったとしたら
ケガをしている人やガレキに埋まっている人に、いちいち
「あなたは東京にお住まいですか？」と聞いてから救助することになります。
そして、たまたま関西から旅行に来ていた人は救助できないんです。
だって東京の住民じゃないんだから。

そういう人がいたとしたら、目の前でケガして苦しんでいても、
上級司令部にケガの手当てをしていいかどうか問い合わせて、
OKの返事が来るまでは何もできません。
もしやったとしたら、命令違反で厳罰が下されます。
ポジティブリストで行動するということはそういうことなのです。

「先手必勝」とか
「兵は神速を尊ぶ」なんて言われる通り、
戦いは時間が勝負のカギを握ります。

それなのにポジティブリストでは自らの首を絞めるようなものです。

２）やろうとする作戦がバレバレ

もう一つ良くない点は、「こちらの手の内がバレバレ」ということです。
軍隊の行動規定というのは重要な機密ではありません。

ですから対立する国が簡単に知ることができます。

例えば野球で相手ピッチャーが
「球種はストレートのみ。外角高めに投げていいけどあとはダメ」
なんて監督から指示されているのが
丸聞こえだったら、比較的簡単に
その投手を攻略できますよね。

しかも監督の指示を守らないピッチャーは
即座に交代させられて、出場停止にされると
なったら、こんなに楽な試合はありません。

指示に無いことをしたければ申請してから
許可をもらわないとできません。
「牽制球を投げてもいいですか」なんてことを
ベンチに大声で問い合わせて、「いいぞ」と返事が来てから
ようやく牽制球を投げているピッチャーが
いたら、「こいつアホか」って思いますよね。
盗塁され放題ですよ。

打者に投げる時だって、自分の投げる球が
大丈夫かどうか気になって、全力を
出すことなんかできませんよね。

これがネガティブリストだとどうなるか。
「デッドボールと敬遠以外なら何でもアリだ。自由にやれ」
という感じです。このピッチャーを攻略するのは
さっきよりも難しいですね。

ピッチャーだって、やったらアカンこと以外は
自分の判断で自由にできますから、
全力を出して頑張れます。

今回の集団的自衛権の報告書に関しては
いろいろと議論を深めてほしい所がありますが、
自衛隊の行動規定をネガティブリストに変更するのは
絶対にやってほしいと思います。

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